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流通しづらいフードロス品で付加価値商品をつくってみる#1(川根本町/静岡)

モノづくり

フードロス品と向き合うきっかけ

お茶と農産物と観光の体験型フードパーク「KADODE OOIGAWA」(静岡県島田市)の仕事に携わる中で、大井川農業協同組合さんのご紹介で多くの農家さんとも会い、お話をお伺いする機会が増えた。

市場品と直売品の仕組みの話だったり、規格品と規格外品のお話だったり、市場流通させる上での決まりごとを知っていたつもりではあったが実際に深いところまで知ることとなった。

規格外品に関しては直売所で売ることや個人販売で売ることや仲間に分けることや廃棄することなどもお聞きしたが、形や見た目が悪いと中身は一緒でも見た目がいいものに比べて価格を下げないといけないという暗黙のルールがあった。しかしながら見た目が悪いものを安く売るとその方が売れてしまい通常の値で出している人とのバランスが崩れるとか、生産者の価値が下がってしまったりという話も出ていた。

中身は一緒なのに、見た目が悪いだけで流通しづらいものに価値を付けて届けてみたい!という気持ちがここで生まれることとなる。

ゆずとの出会い

こだわりの農家さんにこだわりの話を聞くということで、出会ったのが川根本町にあるゆず農家の浜谷さん。この浜谷さんは実はお茶農家も兼業しているという二刀流! 南アルプスに近い静岡県の奥深いところに位置している川根本町では、お茶がブランド品になっていますが、高齢化により毎年生産量も減っていて、他のブランド品づくりに力を入れはじめていて、いま出来つつあるのがゆず栽培。

この地では、昔から茶業と林業が盛んで、兼業もされている方が多くいたが高齢化が進み、片方になり、いまは更に減少傾向にあるという。。そんな中で、茶業と果樹業を営む方も出てきており、移住をしてゆずをブランディングする組織も出てきていたりと、南アルプスの恩恵を受けて育てられる希少性のゆずに注目する企業もじわりじわりと出てきているとのこと。

ゆず三兄弟(色々な味の実験をされていました)

ゆずのランク

一般的には知られていないかもしれませんが、果物はS・M・L・2L・・・のサイズ分けの他に、秀・優・良などのランクがついています。
ゆずは、A・B・C・Dなどになるのですが、当然AとDでは見た目が圧倒的に違い、価格も違いが出ています。 果汁量の違いはありますが、中身の味は同じなのに、これ程価格に違いがあるんだと。

Aランク
Cランク・Dランク

ゆずを購入してみることに

ゆずのランクやゆずを使った商品試作の話など、色々と盛り上がる中で、今年のゆずでやるのか来年のゆずでやるのか、どのくらいのゆずが必要なのか、初回の取引ということと本気度を試されているなというプレッシャーと共に早期の決断を求められることに。

この時すでに地域に埋もれたロス材を活用して付加価値をつくる「100% made project」のビジョンも作り動いていたので、商品開発のイメージは出来ていた。
(*100% made projectについては別記事に記載)

今回のコンセプトでは”1日の始まりのエネルギーチャージ”としており、ゆずを贅沢に使用した本格的なジュースもしくは炭酸ドリンクをつくることにしていたので、飲料会社数社と最低ロットや果汁量や費用など進め方含めての相談を進めていたが、取引条件が農家専門用語の〇〇キロ、〇〇トン、搾汁率という用語だったり、飲料会社専門用語の〇〇リットルなどという用語に戸惑いながらも実際の必要数量目安が決まることとなる。

覚悟も決まり、農家さんには今回1000kg(1t)ください!と。ちなみに1000kgだと果物の採集ボックス1カゴが13kg程(カゴの重さを除く)なので、77カゴ程になる。

-ここで量の計算について少し解説を-
ゆずの重さは1個130g程なので、1カゴに100個ぐらい。77カゴだとゆずの数は7700個程になる。もっと踏み込むと、ゆずの搾汁率は10-15%ぐらいなので、1個のゆずから13-20gしか取れない。果汁率は平均13%程であったので、77カゴで130ℓしか取れない。
ちなみに、みかんの搾汁率は50-60%と言われているので、
同じ量だと500ℓは作れる計算になる。
香酸柑橘に取り組むという無謀さが少し見えてきたでしょうか笑

すんなりとはいかない初めての飲料作り

はじめての飲料作りでは、まだまだすんなりいくはずも無く、農家さんに搾汁を期待していたが、多い量の搾汁は出来ないと、、飲料会社に話すも果汁で欲しいと、、 ということで搾汁会社も何社かあたり話をすることに。最終的には、農家さんに紹介してもらった隣町の藤枝にある市川フーズさんに協力して頂けることとなる。

残るは炭酸飲料。最低ロット問題と炭酸と向き合う愛情の強さを加味して、佐賀県に本社を構える友桝飲料さんにご連絡をしてご協力して頂けることとなる。

1000kg程のゆずを使えば何かしら商品はできると鷹をくくっていたが、ここで問題にぶつかることに。炭酸飲料をつくる際は吹きこぼれ分も見ないといけないという。。ここで果汁を薄めて使う選択肢もあったが、勝負したいと想いが強くあった為、更に170ℓの果汁を調達すべくゆずを追加でお願いすることに。私の読みの甘さからゆずの時期も終盤を迎えており、何とか集めては頂いたものの、今回の搾汁率は更に少ない11%程ということで、1600kgのゆずを追加でお願いすることとなる。
合計で、ゆず2600kg(2.6t)、ここからできるゆず果汁300ℓ。何とか調達することが出来た!

未知の世界に踏み込むと当然壁にぶち当たるが、とにかく新しい発見や学びばかり。

搾汁機械
工場内では収まらず。。
外にも置くことに。。

いい刺激をもらいながら、プレーヤーも揃ったので、いよいよ試作へ。
#2に続く